脳髄日和
てらっち的ポエム、あるいはエッセイ。
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2010.04.22_05:00
僕は葛西臨海公園が好きで、その日も園内を散策していた。
日没前の散歩道はどこか寂寞の想いを誘うところがあって、思索や空想に耽るのにはちょうどいい。
かすかな潮風を感じながら薄明の空を眺めていると、虹色の球体が目の前を横切った。
しゃぼん玉だった。
風上のほうに視線を移すと、一組のカップルがしゃぼん玉を作っているのが見える。
まだあどけなさの残る少年と、同じくらいの年頃の少女。
少年は針金の輪っかを使って特大のしゃぼん玉を作り、少女はベンチに腰掛けて無数のしゃぼん玉を吹いている。
僕は勝手に想像する。
   彼らは革命分子だ。
自分たちの哲学やメッセージをしゃぼん玉に込めて、世界に発信している。
少年と少女の吹いたしゃぼん玉は、風にのって空を飛んでいく。
雨が降っても、嵐がきても、二人の頑強なしゃぼん玉は決して割れることはない。
長い長い旅を経て、どこかの誰かのもとへとたどり着く。
そうしてようやく、ぱちんと弾けて、彼らの想いを伝える。
どこかの誰かは、二人の想いをしっかりと受け取る  。
しゃぼん玉が僕の鼻先で弾けて、愚にもつかない空想は終了する。
少年と少女はあいかわらずしゃぼん玉を作り続けている。
太陽はもうほとんど沈みかけていて、世界はまもなく闇に包まれるだろう。
公園は日中の賑わいを失い、静まり返っている。
ふわふわと頼りなげに漂ってきたしゃぼん玉がひとつ、僕の前を通り過ぎる。
僕はその行き先を目で追いかける。
しゃぼん玉は風にのって舞い上がり、そのまま夕闇の空へと吸い込まれていった。


 息ふいて 祈りを込めた しゃぼん玉
 宇宙の果てまで 届いてほしい
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